タンゴは、平坦に踊って、身体のシャープな動きで、タンゴの音楽を表現することが求められているようです。
そのため、男女の一体感が強く求められ、男性の右手ホールドは女性の背骨あたりまで深く、ワルツなどのスイングダンスなどよりコンタクト部分をさらに右にずらして踊られます。
コンタクト部分をさらに右にずらして踊ることは、
スウイング&スウエイがタンゴにはありませんから、
女性のアウトサイドにステップしようとするときの容易さから、
たいへん理に適ったコンタクト法だと感心したものです。
ただ、男女の一体感は密着部分の多寡によるものでなく、動きそのものの一体感で表現する方がより窮屈さが緩和されるのではないかと思います。
ところが、ひと頃、ロングコンタクトとかいって、胸下から太腿までべったりコンタクトするタンゴが話題になりましたが、実際に試してみて私にはたいへん窮屈に感じました。
スイングダンスよりコンタクト部分をさらに右にずらすことの合理性はたいへん納得できます。
しかし、わざわざ密着部分を多くして、互いの動きを制限してしまうのは如何なものかと?
機械部品でさえ「遊び」という空間を利用しているのに、コンタクトの「遊び」空間をゼロにするなんてそんな無茶な!
そりゃあ、好きで好きでたまらない相手とべったりとくっ付いていたい恋人カップルなら、勝手にやってくれと思いますが・・・。
話を本題に戻します。
コンタクトを右にずらした分、男性の左手はコンパクトに引き寄せることになります。
そして、問題は右ひじ、右手なのです。
前回の動画で紹介した、Dmitry Chelpanov – Yana Masharova組のタンゴをもう一度ご覧になっていただきたいのです。
男性の右ひじは水平より少し落ちる程度、右手はワルツ、フォックストゥロットと同じく女性の左肩甲骨に当てているのです。
タンゴもスイングダンスと同じ右ひじ、右手のホールドで踊っているのです。
良いと思ったら、真似するのが私のやり方です。
とにかく、真似、真似、真似です。
結果、いいんじゃない、これにしょっと、決めました。
左手は、コンタクトが右にずれた分、従来通りタンゴのコンパクト ホールドして、
右ひじ、右手はスイング ダンスと同じにしてみました。
すると、今までのタンゴのホールドに関する思い込みの縛りが解けて、
なんとも、解放された気分になりました。
遥かに、右ひじ、右手をスイングダンスと同じにしたほうが、動きやすいのです。
そもそも、本場のアルゼンチンタンゴだって、身体をべったりくっつけて踊っていないじゃない!
Dmitry Chelpanov – Yana Masharova組と同様、
右ひじ右手を、スイングダンスと同じホールドにしている、
Ivan Varfolomeev – Valeria Remina 組を紹介します。